外科矯正

骨格のずれが大きく、歯の移動だけでは良い咬合が達成できない場合、上下顎の位置を外科的に修正するのが外科矯正です。私たちのグループは初診の診断時、またはスプリント療法後で顎骨の変位が大きい場合、外科矯正のプランを歯の移動を始める前に提示します。そのとき咬合関係も大きく改善しますが、顔がドラマチックに変化するため、外科後の顔の変化のシュミレーションを行ないます。歯の移動を始める前に外科のプランニングをし、顔のより良い変化を予想しながら、そのための顎骨の位置の変化そして歯をどのように移動するかを前もって考えておくわけです。ですから歯の移動のみで治そうとしたが、やっぱり無理で後から外科治療へ変更する方式ですと、歯の動きも根本的に変える必要も出てきます。その場合は外科までしても治療結果が満足いくものになりません。

外科矯正前

外科矯正前

オトガイは大きく後退、上顎は突出し、さらに上唇との関係で歯肉(歯茎)がたくさん見えています。

外科矯正後

外科矯正後
外科矯正は東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座 准教授 外木守雄先生による

上顎を分割して上方に、下顎を前方に、そしてオトガイ部を前方(Genioplasty)に、外科処置により移動させています。自然な表情が獲得されているのが明らかです。