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ロススタディクラブ・ジャパン代表
池田和己
はじめまして、代表の池田和己です。矯正治療に携わって40年を超える月日が経ちました。周りではそろそろリタイアに近づく年代ですが、私は仕事に対する興味を失っていくどころか、益々矯正のおもしろさが増しています。最近の顎関節のMRIおよびCBCTの進歩は目覚ましく、昔は顎関節を見ることができませんでしたが鮮明な画像が入手可能となり、その結果診断力も向上しています。しかもMRIまで顎関節の診断に用いることが可能な国はごく限られています。
従来の矯正治療では口の中で歯が並んでくれば、顎関節を含めた機能が良くなり、顔貌も整い、治療後も安定するかのように思われていましたが、実際には「歯が並んでいる」からといって必ずしもそれらのことが達成されていないのが現実で、ロス先生は大きな疑問を持ちました。従来の矯正診断ではあまり重要視されていなかった顎位・機能的咬合をより客観的に診査・診断し、矯正歯科治療の中に取り入れ、彼の治療フィロソフィとして確立し、世界各地でそれを教えはじめ、世界中の意欲のある矯正医にそのバトンは受け継がれています。
今、日本でも30数名の専門医がその志を受け継ぎ、次の世代に発展させようとしています。その根本の考え方は顎関節の状態を把握し、その機能のうえに歯を並べるということです。そのとき顔貌にも、更に歯周組織にも注意を払います。顎関節の健康状態が下顎の成長に大きく関わっているのにも注目し、ロスフィロソフィを進化させています。
日本での矯正治療の普及はまだまだ十分ではないどころかアジアでも後塵を拝しています。矯正治療は「顔をデザイン」できる特殊な医療行為です。顔貌を整える、それも中から何も加えずに、さらに子どもの下顎の成長にも関われる、矯正治療はやりがいのある素晴らしい仕事と思います。