歯の並びとは

歯の配列も矯正治療の一側面ですが、上下の歯牙の接触関係と左右の顎関節の動きとの調和という機能的咬合を獲得することもさらに重要な役割です。この両方が整えられると同時に、顔貌、スマイル、そして歯の並びそのものが審美的であることが求められます。

歯の並びとは

歯並びのゴール

顎関節との調和がとれている上ですが、ただ並んでいるのではなく、前歯から後ろの臼歯にかけて流れるように、またリズミカルに並んでいて、審美的にも、また機能的にも適した配列が求められます。

  • 整った歯列弓:アーチフォーム(arch form)の形がスマイル・機能面に大きな影響を持ちます。古代ローマの水道橋を支えているのはこのアーチです。
  • 正中の一致:上下顎の位置の調和が必要。顎関節の正常度、特に円板の転位に影響されます。
  • 前歯から臼歯部にかけての流れに注目。普通歯は適度に前方傾斜しています。
  • 上顎の前歯が適度に下顎の前歯をカバーするオーバーバイトが機能に大変重要。上顎の歯の先端が下顎の歯のそれよりも外側にせり出しています(オーバージェット)。臼歯も同様に上顎の歯が下顎の歯をカバーしています。
  • 歯とその隣の歯がお互いにコンタクトしています。歯周病の予防に重要。
  • 上下の歯がしっくりと咬み合っています。予後に重要です。(この時顎関節でずれがないことが重要)
  • 第2大臼歯まで配列:配列の維持、機能に大きく影響します。将来の顎関節症予防にも重要。

上下の第2大臼歯の配列が機能的咬合にとってきわめて重要であることをロス先生は非常に強調していました。この配列が整っていなければ、たとえ第1大臼歯までいかにきれいに並んでいても無意味となります。私たちのグループは第2大臼歯まで配列して治療の終わりとします。